関尾史郎《三国志の考古学:出土資料からみた三国志と三国時代》出版

関尾史郎《三国志の考古学:出土資料からみた三国志と三国時代》出版

 

三国志の考古学 出土資料からみた三国志と三国時代【近刊】 /東方選書52

関尾史郎

出版社:東方書店

出版年:2019年06月

コード:00871   336p

ISBN/ISSN 9784497219138

価格 2,160円
 

小説『三国志演義』の描く英雄たちの活躍によって、日本でもよく知られている三国時代。本書では、その三国時代について、『三国志演義』ではなく、史書の『三国志』でもなく、発掘調査によって中国各地で出土した資料によりながら考える。曹操の墓である高陵の発見は記憶に新しいところだが、この高陵や、呉の名将である朱然の墓からは貴重な文物が出土している。そして七万点以上という、一地点からの出土枚数としては最大を記録した走馬楼呉簡など、三国時代に関する出土資料は近年増加の一途をたどっている。本書では、簡牘や石刻をはじめ、漆器・陶器や画像石・墓葬壁画に至るまで、多種多様な出土資料を取り上げ、膨大な研究史を整理したうえで、新たな知見を提供する。また、それをふまえて史書『三国志』の解釈にも見直しを迫っている。
 

●著者の言葉

三国時代は、『三国志演義』とそのもとにもなった「正史」の『三国志』の存在感があまりに大きいためもあってか、出土資料への注目度はなかなか高くならない。本書はそのような傾向に抗って、副題に示したように、走馬楼呉簡をはじめとする出土資料を紹介しながら、それらを手がかりとして『三国志』と三国時代について考えてみたものである。取り上げた出土資料には三国時代(220~280年)のものと断定できないものや、明らかに後代のものも含まれているが(略)、『三国志』と三国時代を考えるための史料としたことには変わりない。また主題にはあえて「考古学」の三文字を入れたが、取り上げた出土資料は全て考古学の発掘調査により出土したものばかりであるという理由によっている(一部に盗掘品を含む)。(「はしがき」より)
 

●構成

はしがき
 

第一章 曹氏の人びと――曹氏一族墓と出土刻字塼

はじめに

一 『三国志』のなかの曹氏一族

二 『水經注』に記された曹氏一族墓

三 発見された曹氏一族墓

四 刻字塼とは

五 姓名塼を読み解く――曹氏塼

六 姓名塼を読み解く――曹氏塼以外の姓名塼

おわりに
 

第二章 曹操の死――高陵とその出土文物

はじめに

一 魯潜墓誌

二 高陵の発掘とその後の経緯

三 出土石牌とその意義

四 画像石の題記から

おわりに
 

第三章 名刺と名謁―朱然墓出土簡牘

はじめに

一 朱然とその家族墓

二 朱然墓出土の漆器類

三 名謁、名刺とは

四 名謁

五 名刺

おわりに
 

第四章 呉の地方行政と地域社会――長沙走馬楼呉簡

はじめに

一 後漢末の長沙郡

二 走馬楼呉簡とは

三 走馬楼呉簡の世界

四 走馬楼呉簡からみた呉・蛮抗争

おわりに
 

第五章 諸葛亮の「北伐」と涼州――高台地埂坡四号墓壁画ほか

はじめに

一 「涼州諸国王」の正体

二 懸泉置漢簡と「古代書簡」から

三 河西の塼画と壁画から

四 「涼州諸国王」の環境と方向性

おわりに
 

第六章 魏と中央アジア――トゥルファン出土墓誌と敦煌出土鎮墓瓶

はじめに

一 西域戊己校尉の復活が意味するもの

二 トゥルファンと敦煌のその後から考える

おわりに
 

あとがき
 

編著者紹介

1950年神奈川県横須賀市生まれ、1974年上智大学文学部史学科卒業、1980年上智大学大学院博士課程単位取得退学。魏晋南北朝時代を中心とした中国古代史、中国古代史料学が専門。東京大学事務補佐員、新潟大学人文学部教授などを経て、現在新潟大学人文社会科学系フェロー・東洋文庫客員研究員。著書に『西域文書からみた中国史』(山川出版社)、『もうひとつの敦煌』(高志書院)、編著に『環東アジア地域の歴史と「情報」』(知泉書館)、『湖南出土簡牘とその社会』『簡牘が描く中国古代の政治と社会』『磚画・壁画からみた魏晋時代の河西』(以上、共編・汲古書院)などがある。
 

    资料来源:微信公众号     转载时间:2019年06月28日     转载网址:https://mp.weixin.qq.com/

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